スズキ・SW-1

ヘルメットを持つ女性

デザインが最大の特徴のお洒落バイク

1992年に発売されたスズキ・SW-1は、元々は1989年の東京モーターショーで展示されたVツインエンジンを搭載したコンセプトモデルがベースになっており、250ccの空油冷4スト単気筒エンジンに換装されて市販されました。
レッグシールド付きのフルカバードボディはレトロな雰囲気で、燃料タンクはシートの下にあります。
駆動はベルトドライブ式。メンテナンスフリーで寿命が長く、低騒音なベルトドライブは乗り心地に大きな役割を果たします。
ギアの仕組みは他のバイクと違い、MTながらN→1→2→3→4→5とシフトチェンジはシーソー式です。
キャッチコピーは「ヒューマンウェア」で、都会や田舎に合わせたカシューベージュのカラーリングが特徴的で、女性ライダーやシティコミューターにも選ばれるモデルを目指したバイクです。

オシャレは我慢

とにかく見た目にこだわった結果、お世辞にも性能はいいとは言えません。
リアは小径ホイールを採用しているため、スポーツ走行はできず、シフトチェンジもシーソー式でハンドルもクルーザーのようにワイドなので、250ccなのにゆったりとした走りにならざるを得ませんでした。
あわせて新車価格が66万8,000円で同年に発売されたホンダCB400SFが58万9,000円と高かったため、人気は集まらず短命なモデルとなりました。
当時は際物バイクとして見られていたように思います。
しかし、販売終了してから人気に火がつき、中古価格が高騰します。外装部品は恐らくもう出てこないのでキレイな車両は高値で取引されるほどです。
スズキは人気に応えるように2004に「ST250E Type Sカスタマイズ」として限定200台で販売しました。

スズキ・SW-1のレビュー

唯一無二のお洒落なデザインが特徴的なバイクで、ダミータンクやトランクなどの機能性も兼ね備えています。
250ccのシングルエンジンですが、街乗りで不足を感じないほど元気よく回ります。
巡航は時速60キロまでとゆっくりですが、スペックのわりにワインディングではロードタイヤのオフ車のようにキビキビ曲がってくれます。
乗り心地も良く、シーソーペダルは革靴に傷をつけません。
収納も充実しており、女性とのタンデムにも合っているバイクです。
全体的におしゃれで、台数も限られているため、珍しいバイクとしても魅力的といえるでしょう。